東京都では、2025年秋から無痛分娩対する助成が始まることが決定しました。この助成をきっかけに「無痛分娩」という選択がより身近なものになるかもしれません。
とはいえ、助成の対象になるのは“秋以降に出産する方”。それ以前に出産予定の方は、これまで通り大きな金額を自己負担する必要がありますし、そもそも東京都以外にお住まいの方にとっては、まだまだ費用面のハードルは高いままです。
そこで思うこと―――
●無痛分娩、気になってはいるけど実際どうなの?
●無痛って名前だけど痛いって人も結構いるよね…?
●無痛分娩にすると、お産の進みが遅くなって吸引分娩や帝王切開のリスクが高まるってきいたよ…?
―――追加費用を払って無痛分娩にする、という選択は正しいのか…
私も無痛分娩を決めるまでも、決めてからも、ひたすらにそんなことを思い、スマホで「無痛分娩 痛い」と何度も検索しました👀🔍
無痛分娩にすることで起こりうる副作用もあるし、
なにより産院でもらう“同意書”に書いてある内容が…
まあまあ、
いや、だいぶ怖いですよね😨
この記事では、「無痛分娩にしたい!でも正直、不安もある…」という方にむけて、2024年秋に計画無痛分娩で第一子を出産した私のリアルな体験談をお伝えします。
私は医療従事者ではありませんので、専門的なことは全くわかりません。
でも、だからこそ“妊婦目線”でのリアルな体験を赤裸々にお伝えできたらと思います。
出産方法に迷っている妊婦さんや、その旦那さんにとって少しでも参考になればうれしいです☺️💗
結論:私はやってよかった!
結論から言いますと、私は
「無痛分娩の恩恵を最大限受けられた!」
と思っています。
痛みがゼロだったとは言いませんが、“陣痛の痛み”はほとんど味わうことがありませんでした。
次の章からは、皆さんが一番気になるであろう「痛み」を中心に、私の出産レポを書いていきたいと思います。ぜひご覧ください♪
出産レポ
入院初日バルーン挿入の処置からスタート
私は計画無痛分娩を選択。
そこまでに陣痛がくることはなく、計画通りの日程で入院することになりました。
ちなみに入院時の子宮口は1センチ未満。陣痛どころか前駆陣痛も来ていない状態での入院となりました。
私の病院では、子宮口の開きが3~4センチ以下の場合には計画日(出産を予定している日)の前日15時に入院し、バルーンの挿入という子宮口を広げる処置を行うことになっていました。
私は見事に開いていなかったので(泣)、この処置を受けました。
この処置…これが地味に痛かったです😢
バルーンと呼ばれるゴム風船のような形をした器具を入れられるのですが、結構ゴリゴリと挿入されるので、怖さと痛さで腰が逃げて強い、医師から「腰を浮かせないよ~、がんばって~」と声掛けされました。
私の場合は、だいたい1~2分程度で男性の先生が一人で入れてくれましたが、こちらの処置、本当に入らない場合には複数人で押し込んだり、機械を使って入れていくこともあるらしいです…😨💦
麻酔準備
バルーン挿入後、休む間もなく、今度は無痛分娩用の麻酔の管を背中に入れる処置へ。
「いつでも麻酔が開始できるように、管だけ先に通しておきましょう」とのことでした。
私の産院は24時間麻酔対応可能でしたが、これは無痛分娩を希望するならマストだと感じました。
「(麻酔は)日中だけしか対応していない」産院も結構あるので、こちらについては、よく確認しておくことをおすすめします💡
さて、麻酔の管を背中に入れる処置ですが、
これがまためちゃくちゃ怖かったです💦
だって人生で背中に針を刺される経験って、普通に生きてればないですから‥‥。見えない箇所への針刺し、本当に恐怖でした。
膝を抱えてぐっと丸くなり「絶対に動かないでね~」と言われ看護師さんに押さえつけてもらいました(笑)
最初に“針を刺すための麻酔”から刺されます。こちらに関しては、怖さにくらべて、痛みは大したことなかったです!言うなれば歯医者さんの麻酔くらい。
その麻酔を手で押し広げてもらって、いよいよ本番の管を挿入!麻酔の先生から「この管がさっき麻酔を入れた針とずれた位置に入ると痛みがでますよ。さっきと同じ位置にはいれば痛くないですからね~」と言われ、いざ挿入!
こちらは全く痛みがありませんでした😯
バルーン挿入後、生理痛のような痛み…?背中の痛み…?
入院してようやくほっと一息。ここまで恐怖と緊張の連続ですっかり汗だくでした(笑)
ようやく自室にもどって休もうと思ったら、今度は生理痛のような痛みがじわじわと…。
このタイミングで産院の豪華な夕食が運ばれてきましたが、痛みと緊張で固形物は食べる気にはならず、汁物だけすすってあとは夫に食べてもらいました(泣)
そして、今度はなんだか背中が痛い…!!?
寝返りをうつのも一苦労なほど背中が痛くなってきたのです。
背中の管がすごく重く感じるような鈍痛。
後にいろんな人の出産レポを見ていたら、時々同じような症状を書いている方がいましたが、これは何の痛みだったんでしょうか…。医療者の方がいましたらぜひ教えてほしいです😢
この日は前述の“(謎の)背中の痛み”が一番つらかったです。
「無痛分娩を選んだ私の選択は正しかったのか…???」と不安な気持ちを抱えて夜に突入。
家のベッドじゃないと寝られない私が、背中に管を入れて慣れない病室で寝られるはずもなく、一睡もできずに出産当日を迎えました…👼
2日目、破膜からスタート
出産当日。この日は「破膜」という処置(赤ちゃんを包んでいる膜を人工的に破る処置)からスタートしました。
ちなみに、
全く気付かなかったのですがこの時点で前日入れていたバルーンは外れていました👀(バルーンが外れた=子宮口が3センチ程度開いた!とのこと✨)
「破膜」に関して。
こちらは、正直まあまあ痛かったです(でも、一瞬です)。
膜は破れると、パシャ―っとあたたかい羊水が流れ出てきて、これがまたすごく変な感じでした…。
この処置をしておくことで、お産の進みが速くなるようです。
午前9時、促進剤スタート
破膜の後は自室に戻り、促進剤の点滴がスタート。
促進剤はおよそ30分ごとに、生まれるまで調整しながら投与され続けました。
こちらの点滴が始まると、(私の場合は)すぐに陣痛らしきものが始まりました👀
この時点でのNST(おなかの張りなどを確認する機械)の数値はMAX40~50くらい。
この数値、陣痛が強くなる最大100になるそうなのですが…40~50で普通に痛かったです🫤
声が出たり叫んだり、というレベルではありませんが、生理痛の(かなり)強いバージョンのような痛みで…
これが数時間続いたら、あっという間に心が折れていたと思います😇
ついに、麻酔スタート!
私の産院では子宮口が4センチ程度になっていれば、麻酔の投与が可能でした。
促進剤1クール目の30分で、私は陣痛(←本当に始まったばかりの陣痛)の痛みに心が折れかけていたので、
促進剤2クール目のタイミングで迷わず「麻酔、入れたいです!」と助産師さんに伝えてみました。
ちなみに、
事前に読み込んでいた出産レポでは
「麻酔を投与することでお産の進みが遅くなった」
「ギリギリまで麻酔の投与を我慢するように言われた」
といった方をたくさん見ていたので、
助産師さんに「もう少し我慢してみましょうか~」と言われるものだと覚悟していました。
しかし、
「せっかくの無痛分娩ですからね、入れちゃいましょう👍」
と案外すんなり助産師さんからのOKがでて麻酔をスタート!😲
昨日中に、背中に麻酔の管を通してあったので、麻酔を申請してから開始まではほんの5分程度でした(助かった…!)✨
背中からスーッと冷たい液体が入ってくる不思議な感覚…
そして、
本当に一瞬で痛みが消えました!
ただ不思議なことに、麻酔を入れても陣痛の感覚はなくならないのです。
陣痛のたびに、おなかが引っ張られるような感覚だけが残り、
痛みだけが綺麗に取り除かれます。「これが無痛分娩か…!」と心の底から感動しました。
ちなみに、
これは完全に私個人の意見なのですが、
あまり痛みに耐え過ぎず「少しでも痛い」と感じた時点で麻酔を入れた方が、陣痛の痛みを味わうことなく出産までの時間を過ごせる気がしました🤔
これは生理痛に使う鎮痛剤のタイミングに似ている気がしていて、
生理痛もMAX痛くなってから薬を使用しても、薬が効きにくかったり、痛みを軽減しにくかったりしませんか?
逆に、少し痛くなってきたかも、くらいで飲んでおいた方が生理痛の痛みをより軽減できますよね。
陣痛に対する麻酔もこれと同じような感じがしました。
もちろん
「麻酔を早く入れすぎることで陣痛の進みを遅くする」
などの副作用もあるようなので、現場のお医者さんや助産師さんの判断を最優先にしてください。
でも、少しでも「痛い、(麻酔を)入れたい」と思った時点で、ダメ元でも伝えてみるといいかもしれません✨
11時、「仮眠→アロマの足湯」で休息タイム
麻酔開始からほどなくして、痛みがない安心感と、昨日の寝不足から陣痛中なのにうとうとと眠くなってきました🥱
助産師さんに
「今のうちに寝ておけることは、いいことですよ。体力を温存しておきましょう」
との助言もいただき、
仮眠タイムに突入しました。
30分程度だったと思いますが質の良い睡眠がとれて、心も体もHPが回復💖
起床後は、こちらも助産師さんの勧めでアロマの足湯タイム♪
足元を温めることでお産が進みやすくなるとのことでした。
アロマの香りにも癒されて、陣痛中であることをすっかり忘れている時間帯でした🍃(笑)
ちなみに、
このあたりでのNST数値はMAX75くらいに。
先ほど、40~50の痛みでのたうち回っていた私ですが、麻酔を入れてからは75でも余裕。
痛くはないけれど、陣痛がくるたびに深くゆっくりした呼吸を意識して過ごしていました。
ここまでくると、なんだか楽勝すぎて(←)
逆に「今日本当に生まれるのか半信半疑に」なっていました(笑)
12時、昼食。無痛分娩は絶食?
12時になると、またまた産院の豪華なお食事が運ばれてきました。
ここで驚いたことが一つ。
事前に予習してきた情報によれば
「無痛分娩=麻酔をいれてから絶食」
だったはずです。
実際に、数日前に無痛分娩で出産した友人からも「麻酔を入れてから、水ダメ、食事ダメ、というのが意外と大変で」
と聞いていました。
しかし、
私の産院では飲み物OKどころか、食事もOKでした…!👀
つまり、無痛分娩であっても「食べてOKな産院」と「絶食マストな産院」が存在するようです。
こちらに関しても理由は不明です(笑)もし医療従事者の方がいたらぜひ教えてほしいです。
とはいえ、無痛分娩の麻酔の副作用で「嘔吐する」人がかなりいるようだったので(事前に読み漁った出産レポより)、少し怖くて固形物は控えました…。
あたたかいスープと、持参したウィダーインゼリーを少しいただいて、お産に向けて体力のエネルギーを蓄えました✨
15時、分娩室へ
食事を終えても、変わらず陣痛の痛みはあまりありませんでした。
この頃、
無痛分娩だとお産がゆっくり進むケースがある、という言葉を思い出し
「きっと今日は生まれない」と確信していました😇
そして「まあ、この程度の痛み(=ほぼ痛みなし)なら、明日に持ち越しでもいいか」と気楽に考えながら、助産師さんの内診時間に。
ここで助産師さんから衝撃のひとこと。
「頭だいぶおりてきてますね!分娩室いきましょう。」
―――????!
あまりの痛みのなさに、お産が進んでいる実感がなく、本当に驚きました。
確かにNSTモニターの数値をみるとMAX85程度に。痛みはなくともお産自体は、しっかりと進んでいたのです。
分娩室までは歩いての移動でした(余裕)。
ただ、立った瞬間に「股になにか(赤ちゃん)はまっている!」という感覚が。ここではじめて、赤ちゃんの頭が下がってきている感じがわかりました。
分娩室に移動し、自力で分娩台にあがる(これも余裕)と、助産師さんから「いきみ方」についてのレクチャーがありました。
いきみ方についてはYouTubeなどで予習した内容と大差なく、落ち着いて聞くことができました。
(私は「助産師ひさこ」さん「助産師はるか」さんのチャンネルをよく視聴していました😁)
ちなみにこの頃子宮口は7~8センチ(10センチで全開)。
助産師さんから
「今いきむと、膣の奥の方が避けるので、もう少しリラックスして陣痛をこなしていきましょう」とのアドバイスをいただきました。
終始、担当してくれた助産師さんのアドバイスが的確で…
今思えば、これらのアドバイスをしっかり聞いて実践できたことが、お産を順調に進めるカギになっていたと思います🔑
そして、
それ(助産師さんのアドバイスを聞いて実践)ができたのも無痛分娩だったからこそ。
まともに陣痛を味わっていたら、それ通りに行動できないどころか、きっとアドバイスを聞く、ということすらできなかったと思います…!😅
16時、モニターがMAX100、そして誕生
分娩室に来て、助産師さんのアドバイスを聞きながら、15時のおやつタイムを経て(←)、気づけばNSTモニターの数値が陣痛のたびに100を記録するようになりました。
ここまでくると、さすがに陣痛がくるたびに「ふーっ」と息を吐かないと、いきんでしまいそうになりました。
でも「痛み」はなくて、ただただ赤ちゃんで出てこようとしているのがわかる…という不思議な感覚👀
そして午後4時ころ。
ついに助産師さんから「次の陣痛からいきんでOK」とのゴーサインがでました!
横のバーを握って、
目を開けて、
おしりを突き出す感じで…と、
体勢のポイントを教えていただき、そのとおりに実践。
いきんでいる間も、全く痛みはなし。
声が出る、ということもなく分娩室には、みんなで「ふーっ」と息を吐く音だけが響いていました。
事前情報では、
産むときの骨盤が開く(?)痛みだけは麻酔でも取れない、と勉強していましたが、
私はその痛みすら感じることはなかったです(本当にラッキー✨)
多分、
麻酔の他に、アドレナリンの影響もあったと思います。
そして、いきみはじめて3回目の陣痛で…
「いきんで――!…はい、もうゆるめて~、リラックス~」
という助産師さんの声掛け…からの―――
「もう頭半分でてますよ~」
―――!!!?
立ち会った夫は、頭が出た様子が見えたようで「おーすごいすごい」と感動の声をあげていました。
肩が出てきたあたりからは、私の目にも“出てくるベビー”の姿が見えて
「わあ!」と感動。
そしてそのまま、
にゅるん!と元気な女の子が誕生しました👏🏻
出てくる瞬間まで、
陣痛の痛みはゼロ。
でも、ベビーが出てくる感覚はちゃんとあって、我が子の誕生をじっくり感じられたのが本当にうれしかったです。
今振り返っても「私たちらしい、最高のお産」ができたと思います。
ちなみに、会陰について。
切開はしませんでしたが、少し避けたようで溶ける糸で数針縫ってもらいました(縫合時間は体感10分程度)。
かなり浅い傷、と言われましたがそれでも産後の生活ではしばらく痛みました…(泣)
ここまでの記録はあくまでも、私の実体験を語っており、お産は本当に人それぞれです。
でも、
無痛分娩で本当に“ほぼ無痛”で出産できた人もいる、という経験談が
妊婦さんやそのご家族の心の支えに、そして出産方法の検討材料になれば嬉しいです😌
無痛分娩まとめ やってよかったメリットなど
以下、無痛分娩を経て感じた、私の正直な気持ちを箇条書きで振り返ってみます。よかったらこちらもご覧ください♪
✅無痛分娩=「まったく痛くない」ではない。
▶前処置(バルーン挿入、破膜など)には痛みを伴うものもありました。ただ個人的には、陣痛の痛みはきれいに取り除かれました。
✅痛くなったらなるべく早く、麻酔のお願いを。
▶個人的に感じたことですが、生理痛における鎮痛剤を使うタイミングと同じで、MAX痛くなってからではなく、少し痛くなり始めたくらいで麻酔を入れた方が、より“無痛”の恩恵を受けられる気がしました。
※↑医師や助産師の指示助言が最優先です。
✅痛みがなかったことでリラックスできた。
▶陣痛のたびに力むことなく、リラックスした状態で深くゆっくりした呼吸ができたため、子宮口が順調に開き、お産を上手に進めることができた気がします。
✅助産師さんの助言を冷静に聞いて実践できた。
▶助産師さんのアドバイスをしっかり聞いて、その通りに実践する。これがお産を安全に、そして早く進めていく上で最も重要だと実感しました。助産師さんは、本当にお産のプロ。私の場合は、無痛分娩にしたことで焦らず冷静にアドバイスを聞けました。
✅出産のダメージが少なく、産後に備えられる。
▶妊娠期間、そして出産。どこを切り取っても本当に大変ですよね。でも、いざ出産を終えて育児が始まると…「産後が一番つらかった」です。寝れない日々になれない育児、そして回復しきっていない体。特にはじめての産後育児は想像以上に辛いものです。あんなに会いたかった我が子でも、いざ生まれると「一時的にでもおなかに戻ってほしい…」と何度も思ってしまいました(泣)だからこそ、出産でのダメージは最小限に抑えて産後への体力をできるかぎり温存しておくことを、強くおすすめします。
✅麻酔の副作用
▶一番懸念していた「嘔吐」に関して。これは全くありませんでした。吐き気もなく、安心しました…!副作用として起きたのは「発熱」と「尿意の低下」です。「発熱」は産後すぐの計測で38.2度。ただ、自分では熱があることに気づかず、辛いという感覚もありませんでした。また、当日夜の時点では平熱に戻っていました。「尿意の低下」に関して、お産中に一度カテーテル対応がありましたが、その時点では麻酔が聞いており「痛み」などはなく、産後は自然に回復しました。
おわりに
まず、ここまでの長文を読んでくださったこと、本当に感謝いたします🙂↕️
はじめてのお産、
赤ちゃんに早く会いたい気持ちもありつつ、
不安に押しつぶされそうになる瞬間が何度もありますよね。
無痛分娩という選択をすべきかどうか、
これも本当に悩むポイントだと思います。
ぜひこの記事が、少しでも妊婦さんやそのご家族が出産方法などを検討する際の参考になれば嬉しいです。
そして「自分らしいステキな出産」になるよう、心より願っています😌✨
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